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アドラーなスマートシニア活動記

嫌われる勇気と幸せになる勇気を持ちたいエコピープル 福祉住環境コーディネーター Miketoyの85点人生のライフログ

「終わった人」にならないために読み終えた

「終わった人」を読み終えたが、その前に迷っていた。図書館で長いウエィティングリストでそれまでお預けで待つかどうか。買うとすれば、ソフトカバーでは1728円、iBooksでは1500円、KindleとPlaybooksでは同一価格の1404円で、前2者は候補から外れる。Playbooksの読み上げ機能があり、手が離せない時に、そこそこの読取能力で読み聴力のみで読めるのは便利だ。でも今回は眼力で読むので、必ずしも必要なし。全く使っていなかった KindlePaperWhite*1で読んでみようと思い、KIndleで購入しようと決めた。Kindle本は時期により安売りされることもあるので、年末セールで安くなるかとも思ったが、読むべき時に読むというタイミングは、価格以上に重要なこともある。

終わった人

この本は、もとは新聞小説だったようだ。小説はノンフィクションだろうが、徹底した取材に基づいて作られたものだから、リアリティはあり、ひきつけられる読物で、一気に読み終えたが面白かった。
ビジネスの仕事をしていると、その中身と外観だけとは違いがある。妻からすると、中身の詳細は理解できないし、そもそも夫が事細かに話すはずはない。だから、朝会社に行く、そして遅くに帰ってくるという表面的なことしか見えていない。実際は、その中身に重要なまた、微妙なことも多くある*2。それを言葉ではご本人でさえ、なかなか表現しきれないことも多いだろうが、組織人の微妙なニュアンスをうまく描写してくれた傑作である。さらに歳を重ねたあとの心境は、また変わるのだろうが、それは続編に期待したい。

ともかく、定年になろうとする「男」の心を、内館さんは女として育ってきたにも関わらず実に上手く表現している。若干違うかなとも思ったところは、やはり著者が女であるという限界、生物学的な男と女の視点の違いのようなもののもたらす微妙な違いを私は感じたのだが。

 

タイトルでもある「終わった人」と、そうでない人は、第三者的に観察してみると容易にわかる。それは、現役であるかリタイアであるかは直接は関係しないだろう。スーツで言えば「息をしている」と表現していたが、醸し出される匂いなのだろう。もう決して再度上昇することはないのが確定・・といったようなニュアンスだろうか。

主人公は企業人として勝ち負けの世界に晒されていて、私も共通する世界に長くいたのだが違うなと思うところもある。主人公とは違いソフトランディングできるはず!?と思ってきたが、少し気持ちが揺らいだ。未来はどうなるかわからないから、やはり「はず」でしかない。

 

人生は一回きりでやり直しはきかない。いろいろと他者の人生をもとに、自分なりのより良い生き方を探すには、やはり小説のようなものを読みシミュレーションすることは必要かもしれない。
結論として本を評価を⭐️5つで言うならば、⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️となるだろう。同年代の仕事を続けてきたリタイアを迎えようとする人とその周辺にいる家族にも一読を薦めたい本である。

*1:専用端末だから目の疲れは、カラーのそれよりも少なかった気がするし、寝ながら片手だけ出して読めるのも便利だった。

*2:小説は形式として文字だけで表されると言う議論のようなもの。それは形式としては真実だとしても、文字情報のコンテンツを見ないと本質を言っていないに等しい。