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品ある紳士らしき丁寧な暮らし

エコピープルでアドラーな Miketoyの75点人生のライフログ

条件を省略した年金の議論

金融庁の2000万円不足問題。そのこと自体は、いくつかの前提条件を入れれば簡単に計算できるものだ。でも、私達は思考停止してしまうとそれらの条件を一切無視したり忘れたりする(あるいは不都合な条件を隠されたり?)ので、出てきた結果の2000万円だけに囚われがちになる。今回も世の風潮はそのような傾向にある。しかし、この種のことは以前より老後の生活設計となると必ず出てくる話題で、かつ明らかになっていた問題である。だから、あえて明日から公示となる参議院の争点になるものではないと思うが、有権者の6割以上の人は争点の1つだと感じているらしい。大臣が有権者にアピールすべく御都合主義で、受け取らないとかの臭いものには蓋の情報隠蔽体質で、きちんと説明責任を果たさない政府の姿勢にこそ問題がある、というのならわかる。

それはさておき、条件次第で年金だけで暮らすことも可能だというのが下記の本。

年金だけでも暮らせます 決定版・老後資産の守り方 (PHP新書)

私も荻原博子さんと同じ立場で、類する記事も書いた。 

自分の受給年金額は少ないとかこれでは暮らせないという人はいる。ここでは、全ての人が「年金だけで暮らせます」とは言っているわけではないし、「老齢基礎年金」だけで暮らせますとも言っていない。年金は積立方式ではない世代間での支え合いの賦課方式だが、過去の納付額も大きく影響し、その色彩も残っているから一概に断言はし難いけれど、その前提条件は理解しておきたい。

貯めるべき金額の数値は1千万円〜1億円と言う人によってバラツキはあるのだが、2000万円は100歳近く無傷で生きる話であろう。前提条件によっても大きく変動するから、自分の場合は違うと不貞腐れないこと。このモデルでは、例えば介護費用は入っていない。その額を入れればもっと大きく膨らむはずだが、100歳まで健康寿命のままに生きるのはほぼ不可能。数値と前提条件をペアで理解することが必要だ。数値を指標として、1つの数値で表すので、それに文句を言う人も少なからずいるし、平均値でなく中央値を使うべきだという議論もあろうが、所詮1つの数値で表すため、どの指標を使おうが限界がある。その最も理解しやすい代表値が「平均値」だ。もう一つ使えるなら分散だろう(でもそもそも正規分布をしていないし、2変数となると複雑になり、一般の理解には困難がつきまとう)。各自の状況は個別にじっくりと考えなくてはならないことで、2000万円の数値は参考程度に受け流したい。

注意すべきは、政府の言う言葉を自分の都合の良いように解釈(しがちだが)してはいけない。政府も年金の払い損を多くの人にさせるべく、年金繰り下げ受給推進をしている(政府は決して悪者ではないが、時折情報を持っていない私達大衆を騙すのだ(笑))。言えることは、今後も年金の制度自体は残すだろうが、支給額は確実に減っていくこと。御高齢の年金受給者は、既得権で貰い得なのだが、これからの若い人達は、さらにより厳しい環境で生活設計をして行かねばならない。だからこそ生活防衛のためのコンパクト化が今後はさらに重要になると私は思っている。

繰り返すが、数値はいつも前提条件の結果として現れる。そういった関係や事情を理解しながら、明らかにしないのは誰か。知っていながら将来にツケを回す政治家や役人達だろうし、理解しようとしない(私を含めた)愚かな大衆である。今回の年金2000万円問題は、多くの人に各自の老後の生活設計を考えさせる良い機会だったのではなかろうか。だから報告書を受領しなかったからといって、その現実はなかったことには決してできないはずで、政府はきちんと大衆に伝えるための努力は継続して頂きたい。こう言っておきながら一方で、矛盾するようだが私も他者に「ザックリ言って年金いくらもらえるのよ!?」としばしば聞いていた位だから、条件をいちいち理解するのはやはり面倒ではある(笑)。